2020年7月15日水曜日

020 [第109回看護師国家試験(2019年度) A-107] 28歳初妊婦、頻回の尿意

109(2019年度) 看護師国家試験 問題および正答(厚生労働省)

令和2年2月16日(日)に実施した第109回看護師国家試験の問題および正答を公開。

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp200414-03_04_05.html


109Ns(2019) A-107 Aさん(28 歳、初妊婦)は、夫(30 歳、会社員)2人暮らし。妊娠37 週日で妊婦健康診査のため来院した。身長160 cm、体重62 kg(非妊時体重54 kg)。血圧122/74 mmHgHb 12.1 g/dLHt 36 %。尿蛋白(-)、尿糖(-)。下肢に軽度の浮腫を認める。子宮底長32 cm、推定胎児体重2,810 gA さんは「1時間に23回お腹が張ることがありますが、休んでいるとおさまります」と言う。妊婦健康診査後、A さんは「数日前から頻回に尿意を感じるようになり、夜間もトイレへ行くために目が覚め、よく眠れない」と看護師に訴えてきた。A さんに排尿時痛および残尿感はない。Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

1.水分摂取を促す。

2.骨盤底筋群の運動を促す。

3.分娩後には改善する可能性が高いと説明する。

4.睡眠薬の処方について医師に相談すると伝える。

 

<問題文の読み方>

109Ns(2019) A-107 Aさん(28 歳、初妊婦)は、夫(30 歳、会社員)2人暮らし。妊娠37 週日で妊婦健康診査のため来院した。身長160 cm体重62 kg(非妊時体重54 kg)。血圧122/74 mmHgHb 12.1 g/dLHt 36 %。尿蛋白(-)、尿糖(-)。下肢に軽度の浮腫を認める。子宮底長32 cm推定胎児体重2,810 gA さんは「1時間に23回お腹が張ることがありますが、休んでいるとおさまります」と言う。妊婦健康診査後、A さんは「数日前から頻回に尿意を感じるようになり、夜間もトイレへ行くために目が覚め、よく眠れない」と看護師に訴えてきた。A さんに排尿時痛および残尿感はないAさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

 

太字が必要な情報です

妊娠の経過       妊娠37 週日、体重62 kg(非妊時体重54 kg)、血圧122/74 mmHg、子宮底長32 cm推定胎児体重2,810 g。「1時間に23回お腹が張ることがありますが、休んでいるとおさまります」 これらはすべて正常な妊娠の経過です。陣痛発来、胎児発育不全、妊娠高血圧症候群ではありません。ここには提示していませんが、本問題(A-106)のように、看護師国家試験においても臨床実地研修で得られる知識と経験が問われます。

 

排尿の症状1                  頻回に尿意を感じるようになり、夜間もトイレへ行く

排尿の症状2                  排尿時痛および残尿感はない

看護師の対応で適切なのはどれか。

 

1.水分摂取を促す                                           ×△ 尿路感染症への対応です。本症例は膀胱炎ではないと判断されます。

2.骨盤底筋群の運動を促す                               × 腹圧性尿失禁への対応です。

3.分娩後には改善する可能性が高いと説明する。     妊娠晩期には胎盤が膀胱を物理的に圧迫するために膀胱が過敏な状態(膀胱過活動)になりやすいです。本症例も同様と判断されます。自然な経過なので、特に投薬等の治療は不要です。分娩後には自然に改善しますよと説明するこの3.は最もふさわしいです。

4.睡眠薬の処方について医師に相談すると伝える。 × 睡眠薬は不要です。避けるべきです。

 

よって3が正解です。皆様できたでしょうか?「分娩後には改善する可能性が高い」という説明は、すなわち「いちいち治療する必要はありませんよー」という意味ですのえ、これを選択するのは意外と難しいです。難問の部類に入るかもしれません。何かしらしてあげたいという思いから、1を選んだ人が多いのではないでしょうか。基礎的な問題ですが、最近の国家試験では教科書や授業の知識だけではなかなか得られない臨床情報が問われています。ぜひ看護実習での経験を積んで、たくさんの情報を得るようにして下さい。


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