2022年4月18日月曜日

第114回医師国家試験(2019年度) 問題(印刷用)

 

 

114回医師国家試験(2019年度)

     泌尿器科version ―問題

 

 

 

 

 

 

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018 [114回医師国家試験(2019年度) F-38] 5歳男児、夜尿

114(2019) F-38 5歳男児、夜尿

5歳の男児。夜尿を主訴に父親に連れられて来院した。毎晩夜尿があり、これまでに夜間おむつがとれたことがない。日中の尿失禁はないという。尿所見:比重1.030、蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣は赤血球01/HPF、白血球14/HPF。腹部超音波検査で両側の腎と膀胱とに異常を認めない。

父親への説明として適切でないのはどれか。

a 「就寝前に完全に排尿させましょう」

b 「睡眠中の冷えから身体を守りましょう」

c 「水分は昼過ぎまでに多めに摂らせましょう」

d 「おねしょをしても叱らないようにしましょう」

e 「夜間の決めた時間に起こして排尿させましょう」

 


 

014 [114回医師国家試験(2019年度) E-18] ノーベル生理学・医学賞

番外編

E-18 ノーベル生理学・医学賞を受賞した日本人研究者とその研究者が貢献した研究内

容の組合せで誤っているのはどれか。

a 大隅 良典 オートファジーの仕組みの解明

b 大村智 マラリアに対する新たな治療法の発見

c 利根川 進 抗体の多様性に関する遺伝的原理の発見

d 本庶佑 免疫チェックポイント分子の発見

e 山中 伸弥 成熟した細胞のリプログラミングによる多能性の獲得

 


 

013 [114回医師国家試験(2019年度) E-41] 基礎問題 カテーテル操作

E-41 カテーテル留置で正しいのはどれか。

a 挿入時は患者を側臥位にする。

b 陰茎に潤滑剤を塗布した後に消毒を行う。

c 陰茎は垂直方向に軽く引き上げるように保持する。

d 蓄尿バックは膀胱と同じ高さの位置でベッド柵に固定する。

e 挿入途中で抵抗が強い場合、その位置でバルーンを膨らませる。

 


 

 

012 [114回医師国家試験 E-39 ] 71歳男性、排尿困難、夜間頻尿

E-39

71 歳の男性。6か月前からの排尿困難と夜間頻尿を主訴に来院した。既往歴および家族歴に特記すべきことはない。身長 162 cm、体重 60 kg。体温 36.4 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 154/82 mmHg。呼吸数 14/分。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。直腸指診で横径 40 mm 程度の前立腺を触知するが硬結を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に赤血球と白血球とを認めない。血清 PSA 2.5ng/mL(基準4.0 以下)。国際前立腺症状スコア 28 (軽症07点、中等症819点、重症 2035)。腹部超音波検査で推定前立腺体積 60 mL。尿流測定で排尿量 120 mL、最大尿流率 2.5 mL/秒、残尿量 240 mL。治療薬として適切でないのはどれか。

 a α遮断薬

b 抗コリン薬

c 抗男性ホルモン薬

 5 α 還元酵素阻害薬

 PDE 5(phosphodiesterase 5)阻害薬


 

 011 [114回医師国家試験 D-57] 65歳女性、発熱・悪寒

D-57

65 歳の女性。発熱と悪寒を主訴に来院した。意識レベルは JCS-10。身長 155cm、体 重 68 kg。体 温 38.8 ℃。脈 拍 96/分、整。血 圧 92/52 mmHg。呼吸数28分。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。右背部叩打痛を認める。尿所見:蛋白1+、糖(-)­、ケトン体(-)­、潜血1+、沈渣は赤血球 1050/HPF、白血球5099/HPF。血液所見:赤血球434 万、Hb 11.8 g/dLHt 37 %、白血球2,200、血小板 22 万。血液生化学所見:総蛋白 6.5 g/dL、アルブミン 2.8 g/dLAST 19 U/LALT 19 U/L、尿素窒素 12 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dLCRP21 mg/dL。血液培養と尿培養の検体を採取し、生理食塩液による輸液を行ったが、血圧低下の改善はみられず、カテコラミンと抗菌薬の投与を開始した。腹部CT別冊No. 25A、B­を別に示す。

直ちに行うべき処置はどれか。

a 尿道切開術

b 膀胱瘻造設

c 経尿道的尿管砕石術

d 尿管ステント留置術

e 体外衝撃波結石破砕術


 

010 [114回医師国家試験 D-27] 71歳女性、排尿困難、会陰部腫瘤

D-27

71 歳の女性。排尿困難を主訴に来院した。1年前から会陰部腫瘤を自覚していたが、自分で腫瘤を元に戻していたという。3か月前から排尿困難が出現したため受診した。身長 156 cm、体重 55 kg。体温 36.6 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 132/72mmHg。血液所見:赤血球350 万、Hb 11.2 g/dLHt 34 %、白血球4,000、血小板 25 万。血液生化学所見:尿素窒素23 mg/dL、クレアチニン 0.9 mg/dLNa144 mEq/LK 4.2 mEq/LCl 100 mEq/LCRP 0.7 mg/dL。外陰部の写真(別冊No. 10)­を別に示す。診断はどれか。

 

a 直腸脱

b 膀胱瘤

c 外陰Paget

d 尿道カルンクル

e 尖圭コンジローマ

 


 

009 [114回医師国家試験 D-13] 泌尿器科解剖

D-13 泌尿生殖器の解剖で正しいのはどれか。2つ選べ。

a 尿膜管は膀胱三角部に開口する。

b 射精管は前立腺部尿道に開口する。

c 右副腎静脈は右腎静脈に流入する。

d 精巣動脈は内腸骨動脈から分枝する。

e 尿管には3か所の生理的狭窄部位がある。

 


 

007 [114回医師国家試験 C-55] 78歳男性、排尿障害

C-55

78 歳の男性。排尿障害を主訴に来院した。2年前から尿勢の減弱を自覚していたという。3か月前からは頻尿および残尿感が出現し、昨日から症状が強くなり受診した。内服薬はない。意識は清明。身長 165 cm、体重 63 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 80/分、整。血圧148/86 mmHg。呼吸数 16/分。下腹部に膨隆を認める。尿所見:蛋白(‑) 、糖(‑) 、ケトン体(‑)、潜血1+、沈渣に赤血球59/HPF、白血球59/HPF。血液所見:赤血球 476 万、Hb 13.8 g/dLHt 39 %、白血球5,200、血小板 24 万。血液生化学所見:尿素窒素 28 mg/dL、クレアチニン4.4mg/dLNa 137 mEq/LK 5.0 mEq/LCl 114 mEq/L。腹部超音波像別冊No.11A〜C を別に示す。

まず行うべきなのはどれか。

 a 血液透析

b 腎瘻造設術

c 利尿薬投与

d 尿管ステント留置

e 尿道カテーテル留置


 

 006 [114回医師国家試験 A-73] 41歳女性、高血圧・頭痛・脱力

A-73

41歳の女性。高血圧、頭痛および脱力を主訴に来院した。3年前から高血圧症に対して、自宅近くの診療所でカルシウム拮抗薬を投与されていたが、血圧は150/80 mmHg前後の高値が持続していた。1年前から頭痛と脱力も自覚するようになったため受診した。血液検査では血清カリウムが2.8 mEq/Lと低下していた。二次性高血圧症を疑って施行した安静臥位30分後の採血では、血漿レニン活性0.1 ng/mL/時間基準1.22.5­、血漿アルドステロン濃度231 pg/mL(基準30159­であった。腹部単純CTでは異常所見を認めない。診断のために行うべき検査はどれか。3つ選べ。

 

a 生理食塩水負荷試験

b カプトプリル負荷試験

c デキサメサゾン抑制試験

d フロセミド立位負荷試験

 MIBG 副腎シンチグラフィ

 

005 [114回医師国家試験 A-57] 16カ月男児、出生時外陰部異常

 

A-57

16か月の男児。出生時に外陰部の異常を指摘されていたが転居を契機に紹介され受診した。在胎39 週、出生体重3,180 gApgarスコア8点(1分)­10 点(5分)で出生した。体重10 kg、体温36.5 ℃。脈拍92/分、整。SpO2 97 %room Air­。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。亀頭の一部は包皮から露出し、外尿道口は陰茎と陰囊の移行部に確認できる。外陰部の写真別冊No. 27A、B­を別に示す。この患児にみられるのはどれか。

 

a 血尿

b 尿閉

c 水腎症

d 陰茎の屈曲

e 真性尿失禁


 

004 [114回医師国家試験 A-55] 77歳男性、無症候性肉眼的血尿

A-55     77歳の男性。血尿を主訴に来院した。3か月前から時々血尿を自覚していたが、自然に消失していたため医療機関を受診していなかった。2日前から血尿が持続するため受診した。喫煙歴は20/日を50年間。飲酒は機会飲酒。身長165 cm、体重70 kg。脈拍72/分、整。血圧120/72 mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:沈渣は赤血球100 以上/HPF。血液所見:赤血球395 万、Hb12.9 g/dLHt 38 %、白血球8,100。血液生化学所見:総蛋白6.7 g/dL、アルブミン3.8 g/dL、尿素窒素18 mg/dL、クレアチニン0.8 mg/dL。尿細胞診はクラスV。胸腹部造影CT別冊No. 25A、B­を別に示す。この患者で正しいのはどれか。

 



 a 再発は膀胱に多い。

b 扁平上皮癌である。

c 近位尿細管から発生する。

 VHL遺伝子異常が関係する。

e 腹部ダイナミックCTで早期濃染を呈する。

 

003 [114回医師国家試験 A-34] 84歳男性、尿量減少

A-34

84 歳の男性。全身~怠感と尿量の減少を主訴に来院した。3年前に胃癌の診断で幽門側胃切除術を受けたが、2年前から受診を中断している。3週前から全身倦怠感が出現し、5日前から尿量が減少したため受診した。意識は清明。体温36.7℃。脈拍80/分、整。血圧140/84 mmHg。呼吸数18/分。眼瞼結膜は軽度貧血様で、眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、上腹部に手術痕を認める。両下肢に圧痕性浮腫を認める。血液所見:赤血球382 万、Hb 11.1 g/dLHt 35 %、血小板10万。血液生化学所見:アルブミン3.2g/dL、総ビリルビン1.3 mg/dLAST 38 U/LALT 42 U/LLD 230 U/L(基準120245­、尿素窒素40 mg/dL、クレアチニン2.8 mg/dLNa 132 mEq/LK5.6 mEq/LCl 98 mEq/LCEA 7.8 ng/mL(基準5以下)­CA19-9 69 U/mL(基準37 以下)­CRP 2.1 mg/dL。腹部超音波検査で膀胱内に尿を認めない。胸部エックス線写真で心胸郭比56 %。腹部単純CT別冊No. 8­を別に示す。まず行う処置として適切なのはどれか。



a 血液透析

b 大量輸液

c 利尿薬投与

d 尿管ステント留置

e 尿道カテーテル留置


 

002 [114回医師国家試験 A-26]  38歳女性、発熱・悪寒・腹部緊満

A-26 (難問)

38 歳の初妊婦(10産)­。発熱、悪寒および腹部緊満を主訴に来院した。妊娠30 週。妊娠経過は順調で胎児の発育も問題ないと言われていた。既往歴に特記すべきことはない。意識は清明。身長161 cm、体重60 kg。体温38.8 ℃。脈拍96/分、整。血圧120/74 mmHg。呼吸数20/分。胎児心拍数陣痛図で頻脈を認めるが基線細変動は中等度、一過性頻脈を認めるが一過性徐脈は認めなかった。尿所見:色調は黄色、比重1.010pH 6.0、蛋白(―)­、糖(―)­、ケトン体(―)­、潜血(―)、沈渣に赤血球01/HPF、白血球1019/HPF。血液所見:赤血球388万、Hb 12.0 g/dLHt 35 %、白血球13,100(桿状核好中球17 %、分葉核好中球61 %、好酸球2%、好塩基球0%、単球10 %、リンパ球10 %­、血小板25万。血液生化学所見:総ビリルビン1.0 mg/dLAST 32 U/LALT 24 U/L、尿素窒素12mg/dL、クレアチニン0.5 mg/dL、血糖98 mg/dLNa 136 mEq/LK 3.8mEq/LCl 100 mEq/L。尿培養と血液培養の検体を採取した後にセフトリアキソンの経静脈投与を開始した。翌日、血液培養が2セットとも陽性になったと連絡を受けた。連絡を受けた時点で体温38.5 ℃、腹部緊満は持続していた。血液培養ボトル内容の塗抹Gram 染色写真別冊No. 5­を別に示す。適切な抗菌薬治療の方針はどれか。



a アンピシリンに変更する。

b 感受性試験結果が出るまでセフトリアキソンを継続する。

c セフトリアキソンを中止して経過を観察する。

d メロペネムに変更する。

e レボフロキサシンに変更する。


 

001 [114回医師国家試験 A-15] eGFR

A-15 成人の推算糸球体濾過量(eGFR)の計算に必要な項目はどれか。3つ選べ。

 

a 年齢

b 性別

c 尿量

d 尿蛋白量

e 血清クレアチニン値