A-15 成人の推算糸球体濾過量(eGFR)の計算に必要な項目はどれか。3つ選べ。
a 年齢
b 性別
c 尿量
d 尿蛋白量
e 血清クレアチニン値
<解説>
glomerular filtration rate(GFR):糸球体濾過量とは、糸球体が1分間濾過する血漿量を示し、単位はml/minです。医療現場では24時間蓄尿により測定されるクレアチニン・クリアランス、またはeGFR(estimated GFR; 推定(算)糸球体濾過量)を使用します(単位はmL/分/1.73m2)。
eGFRは以下の計算式で求められます。血清クレアチニンからのGFR推算式(2008年改訂)
男性用 194 × 血清クレアチニン-1.094 × 年齢-0.287
女性用 eGFR(男性) × 0.739
見ての通り、血清クレアチニンの値と年齢がわかればeGFRを自動的に求められます。また女性には補正する係数が必要です。よって「aとbとe」が正解になります。ちなみにeGFRは痩せた患者で高めに推算されますのでご注意を。
a
年齢 〇
b
性別 〇
c
尿量 × 畜尿クレアチニン・クリアランスCCrでは必要
d
尿蛋白量 × 不要
e
血清クレアチニン値 〇
より正確なGFR値であるクレアチニン・クリアランスを求める場合は、24時間蓄尿のうえ、尿中クレアチニン値、蓄尿量、血清クレアチニン値の測定が必要です。類似問題が出題されるかも知れないので、お間違えのないように。
泌尿器科臨床においては、GFR値は、抗生物質の投与スケジュール、および抗がん剤投与スケジュールに多大な影響を及ぼします。泌尿器科癌治療の柱であるプラチナ系薬剤は腎排泄型でかつ腎障害を高度に引き起こすため、かならず蓄尿クレアチニンクレアランスのGFR値を測定した上で、抗がん剤スケジュール(薬剤、投与方法、投与量)を慎重に判断します。
<リンク>
日本腎臓病薬物学会のホームページにあるeGFRの自動計算式 https://jsnp.org/egfr/
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